ビッグデータをどう活用?プローブを使って高精度のルート検索を実現する方法
ナビタイムジャパンでは、各種NAVITIMEサービスで蓄積した走行実績(プローブ情報)や検索条件を交通ビッグデータとして保有しています。
官公庁や自治体向けの交通安全対策や渋滞対策等に関する取組を推進するなど、交通の最適化・地域の活性化を支援しています。
では「ルート検索」のサービスで、カーナビのプローブ情報を活用し高精度の検索はどう実現できるのでしょうか。
APIでの活用についてご紹介いたします。
目次
カーナビのプローブ情報の集積
ナビタイムジャパンでは、提供しているカーナビアプリ「カーナビタイム」、「トラックカーナビ」などについて同意を得たユーザーを対象に、GPSにより1~6秒間隔で取得された車両ごとの走行実績データをプローブ情報として集積しています。
そのデータ数は、1日あたり約1,000万km、地球250周分にもなります(2022年1月時点)。
これらのデータを解析しサービス内で活用することで、カーナビアプリユーザーへのよりよいサービス提供につなげています。どういった解析を行っているかやAPIサービスにおける活用について、次の章から具体的にご紹介していきます。
そのデータ数は、1日あたり約1,000万km、地球250周分にもなります(2022年1月時点)。
これらのデータを解析しサービス内で活用することで、カーナビアプリユーザーへのよりよいサービス提供につなげています。どういった解析を行っているかやAPIサービスにおける活用について、次の章から具体的にご紹介していきます。
「ルート検索」APIでの活用①:渋滞情報として使う
渋滞情報として解析したデータには以下の2種類があります。
・道路混雑予測:過去3か月のログを使った統計予測データを元に未来の道路混雑を予測
・リアルタイムの渋滞情報:直近20分のログを5分毎に集計しリアルタイムの渋滞情報を算出
以下は新宿付近の各道路について、とある日時の混雑予想を可視化した、道路混雑予測の例です。
各道路の通行にかかる時間を個別に予測し最適な経路、現実に即した所要時間を算出することが可能です。
APIでは、ルート検索時に上記を考慮した計算を行うことができます(オプション機能)。
お客様のシステム内で車のルート検索機能を使われる場合、あらかじめ先の移動の計画を立てておくケースもあれば、直近の道路状況を加味して移動の支援に使うケースもあります。
過去のログを使った道路混雑予測と、直近のログを使ったリアルタイムの渋滞情報があるため、どちらのケースにも対応することが可能です。
例えば、現在時刻を出発時間として車ルート検索を行う場合、プローブ情報を使わないとき、使ったときの算出結果は以下の通りです。
プローブ情報を使ったときは、距離が伸びていますが時間が短くなっており、渋滞を加味した最適ルートが出力されていることがわかります。
ナビタイムジャパンのルート検索では、もともと時間帯別・道路区分別に走行速度を整備し、現実世界に近い検索結果が得られるようなチューニングを行っています。しかし、プローブ情報を考慮した検索を行うことで、さらに精緻な結果を得られます。
渋滞情報の配信サービスとしてはVICSが有名ですが、VICS渋滞情報の配信対象は幹線道路が中心です。
プローブ情報を活用する利点としては、幹線道路のような大きな道路以外でも、プローブデータを取得しているカーナビアプリ利用者が使っている道路であればデータが存在するということです。
逆に利用されていない道路についてはデータがないため、そのほかの渋滞情報と組み合わせるなど利用用途によって使い分けることがオススメです。
・道路混雑予測:過去3か月のログを使った統計予測データを元に未来の道路混雑を予測
・リアルタイムの渋滞情報:直近20分のログを5分毎に集計しリアルタイムの渋滞情報を算出
以下は新宿付近の各道路について、とある日時の混雑予想を可視化した、道路混雑予測の例です。
道路混雑予測の例。緑線は順調、オレンジ線は混雑、赤線は渋滞
各道路の通行にかかる時間を個別に予測し最適な経路、現実に即した所要時間を算出することが可能です。
APIでは、ルート検索時に上記を考慮した計算を行うことができます(オプション機能)。
お客様のシステム内で車のルート検索機能を使われる場合、あらかじめ先の移動の計画を立てておくケースもあれば、直近の道路状況を加味して移動の支援に使うケースもあります。
過去のログを使った道路混雑予測と、直近のログを使ったリアルタイムの渋滞情報があるため、どちらのケースにも対応することが可能です。
例えば、現在時刻を出発時間として車ルート検索を行う場合、プローブ情報を使わないとき、使ったときの算出結果は以下の通りです。
プローブ情報を使ったときは、距離が伸びていますが時間が短くなっており、渋滞を加味した最適ルートが出力されていることがわかります。
※上記はあくまで一例です。検索した日時や場所、その他付与する検索条件により結果が変わります。
ナビタイムジャパンのルート検索では、もともと時間帯別・道路区分別に走行速度を整備し、現実世界に近い検索結果が得られるようなチューニングを行っています。しかし、プローブ情報を考慮した検索を行うことで、さらに精緻な結果を得られます。
渋滞情報の配信サービスとしてはVICSが有名ですが、VICS渋滞情報の配信対象は幹線道路が中心です。
プローブ情報を活用する利点としては、幹線道路のような大きな道路以外でも、プローブデータを取得しているカーナビアプリ利用者が使っている道路であればデータが存在するということです。
逆に利用されていない道路についてはデータがないため、そのほかの渋滞情報と組み合わせるなど利用用途によって使い分けることがオススメです。
「ルート検索」APIでの活用➁:新しく開通した道路を発見するのに使う
ルート検索時に使う道路データは、地図情報の提供元などから入手するか、独自調査により手動でデータを作成し、都度更新を行う必要があります。
ナビタイムジャパンでは2016年より、「道路地図データを利用者のみんなで作る」というコンセプトのもと、カーナビアプリのプローブ情報を解析することで、地図データに収録されていない道路を抽出し、各種NAVITIMEサービスに反映させる取り組みを開始しました。
スマートフォン向けカーナビアプリとして国内初(2016年12月ナビタイムジャパン調べ)となります。
この取り組みにより、新規開通道路を最短で開通日の翌日にサービスに反映できるようになっています。
このように、渋滞の状態や移動時間の分析に使うだけではなく、利用者から取得したデータを利用者のサービス改善に活用するというのは、モバイル通信カーナビならではの活用方法ではないでしょうか。
APIサービスにおいても同様に、こちらの仕組みを使い新規開通道路を、最短で開通の翌日に反映できるようになっています。
現実の道路の状況を反映した、高精度のルート検索の提供につながっています。
ナビタイムジャパンでは2016年より、「道路地図データを利用者のみんなで作る」というコンセプトのもと、カーナビアプリのプローブ情報を解析することで、地図データに収録されていない道路を抽出し、各種NAVITIMEサービスに反映させる取り組みを開始しました。
スマートフォン向けカーナビアプリとして国内初(2016年12月ナビタイムジャパン調べ)となります。
この取り組みにより、新規開通道路を最短で開通日の翌日にサービスに反映できるようになっています。
地図更新イメージ図(※NT-FILTERとはナビタイムジャパンが開発した道路地図データ自動生成システムです)
このように、渋滞の状態や移動時間の分析に使うだけではなく、利用者から取得したデータを利用者のサービス改善に活用するというのは、モバイル通信カーナビならではの活用方法ではないでしょうか。
APIサービスにおいても同様に、こちらの仕組みを使い新規開通道路を、最短で開通の翌日に反映できるようになっています。
現実の道路の状況を反映した、高精度のルート検索の提供につながっています。
プローブを活用して高精度のルート検索を実現しましょう
カーナビのプローブ情報を活用した、高精度のルート検索の実現方法についてご紹介しました。
より精度の高いルート検索を行うことで、ドライバーの安心・安全な移動をサポートするほか、正確な所要時間の把握など業務の改善に役立てられます。
是非、業務や研究などでの活用を検討してみてくださいね。
より精度の高いルート検索を行うことで、ドライバーの安心・安全な移動をサポートするほか、正確な所要時間の把握など業務の改善に役立てられます。
是非、業務や研究などでの活用を検討してみてくださいね。
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この記事の執筆
NAVITIME API/SDK 記事編集部
株式会社ナビタイムジャパン ソリューション事業
お客様の開発を強力にサポートするAPI/SDKなどのサービスを展開しているソリューション事業部。 サービスのサポートチームや開発担当者が、APIを中心に、その選定方法や使い方など様々な記事をご紹介しています。